自惚れ男子の取説書【完】
「あれは売り言葉に買い言葉っての?お前が気にする事じゃねえよ」
「いえ、私がでしゃばったのが悪いんです。何も知らないのに…すみませんでした」
身体ごと運転席へ向き直ると頭を下げる。
「別に謝る事でもねぇだろ。目の前であんなんされたら誰でも気になるし」
「そう、ですか?」
「おう。だからお前ももう忘れろ」
もっと機嫌を損ねているかと思えば、意外とすんなり許された。
終始穏やかにあの日の事を話す小田さん。
だけどどこか核心に触れないように話しているのがわかるから、私もこれ以上は踏み込めない。