自惚れ男子の取説書【完】
小田さんの優しさに幸せを感じながら、楽しい食事は進んだ。おばさんに勧められた軽いカクテルも本格的で気分があがる。
メインのスペアリブに手を伸ばそうとした時、ワインが1つ運ばれてきた。
「小田さん珍しいわね。って、彼女用かしら?」
「俺がこんな甘いの飲むわけないでしょ」
ふふっと笑いながらグラスワインを運ぶおばさんは、そっと私の手元にグラスを置いた。
「えっ、小田さん!私ワイン飲めないって…」
「わかってるって。飲み干せとか言わないから試しに一口飲んでみ。甘口で飲みやすいって評判のだから。飲めなかったら俺が貰ってやるよ」
小田さんの申し出に恐る恐るグラスに手を伸ばす。無理矢理って訳じゃないし、騙されたと思って…そっと口をつける。