自惚れ男子の取説書【完】
思わぬ苦手克服に、はからずもお酒のペースが上がる。
「小田さぁーん、ちゃんと食べてますかぁ?今日は小田さんにご馳走する日なんですからねぇ」
「食ってる食ってる。お前、酔っぱらいだな」
間延びした調子の私に悪態をつきながらも、小田さんも満更ではないようでくっと喉を鳴らし笑う。
ヴヴヴ ヴヴヴ
振動の元に軽く目をやると、小田さんはチッと軽く舌打ちした。
「悪ぃ…電話してくる」
「はぁーい!いってらっしゃいませぇー」
すっかり楽しくなっている私は、すんなり小田さんを見送った。
店の外まで出た小田さんを窓から覗くと、眉間に皺を寄せ不機嫌そうだ。何度か相槌をうったかと思えば顔を歪め、怒りを爆発させ叫ぶようにして電話を切った。