自惚れ男子の取説書【完】
「そう、ですか…」
小田さんの言葉に安心して息をつく。仕事は大事だけど、正直まだこの時間が終わってしまうのは惜しい。安堵して思わず顔がほころぶ。
「なんだ?それとももう帰りたいってか?」
「違いますよっ!だ、誰もそんな事言ってないでしょう。仕事ならそれを優先してもらわないと申し訳ないなって!!」
意地悪そうに笑う小田さんに勢いよく捲し立てると、更に小田さんはくくっと声を漏らした。
「へぇ…お前、仕事優先なのはいいんだ?俺が今帰っても仕方ないってか」
試すような言い方にどこか引っ掛かりつつ、正直に答える。
「仕事なら…仕方ないじゃないですか。邪魔するなんて申し訳ないですもん」
そう答える一方で、小田さんと昔の自分を重ねていた。