自惚れ男子の取説書【完】
大学を出て看護師になって1年目。
あの頃の私は仕事を覚え毎日をこなすので精一杯だった。その上、不規則な勤務体制。新人研修や勉強会で毎日くたくただった。
それでも当時付き合っていた彼とは毎日連絡を取り、なかなか会えないなりにもお互い支えあっていたと思う。
私達の関係にヒビが入ったのは就職して数ヶ月が経った頃。私が自分で担当の患者さんを持ち始めた頃だ。
当時私が初めて受け持った患者さんは、ターミナル期と言える積極的な治療はもう不可能な状態の人だった。
精神的に追い詰められた患者さんと、なかなか打ち解けられない日々。それでも先輩や主治医に相談しながら、どうにか心を開いて貰えていった。
「最期を覚悟しなきゃなんないってツラいよな」
そう言って私の仕事を気遣ってくれた彼。仕事は違うにしても、彼ほど理解してくれる人はいない。その頃の私はそう思っていた。