自惚れ男子の取説書【完】
全く掴めない…この人。
苛立ちを隠さないながらも、用意したカップは2つ。怒ったくせに私の分もコーヒーいれてくれるんだもの。
腑に落ちないのとにやつくのを悟られないよう、くいっとドリンク剤を一気にあおった。口の端からこぼれそうなのを、お行儀悪く思わず袖口でぬぐおうとした。
あ…そういえば。
「すみません、私の服ってどこですか?」
「あぁ、あっちにかけてある。待ってろ」
そう言うと小田さんは寝室へとむかった。ガラっという音から、クローゼットを開けるのがわかる。
きっと脱ぎ散らかしたであろうワンピース。どうやらきちんと、かけておいてくれたみたいだ。