自惚れ男子の取説書【完】

その目を鋭く尖らせて怒りをあらわにする小田さん。それに見合う理由も思い付かず、何が何だかわからない。

「なに、あいつ患者の息子だって?お前結局誰でも色目使うのかよ」

思わぬ言葉に目を見開く。声も出せず、ただ唖然とする私をよそに小田さんは続けた。

「勝手に無視して、いつの間にか医者とくっついてるし。医者とよろしくやってるかと思えば、今度は患者の息子だ?は?お前、何しに来てんだよ。男漁りに来てんじゃねぇよ…虫酸が走る」

「はっ……なっ!」

ただただ私を否定し拒絶する言葉を並べる。侮蔑の視線は私を捉え、その強い眼差しから私は目を離せずにいた。

「な…んですか、それ。私が職場で色目使ってるって言うんですかっ!」

「それ以外何だってんだよ。さっきのだって、身からでた錆びってやつだろ?ほんと勝手な女だな」

呆れたように深く息を吐くとポツリとこぼした。

「だから女なんて…ほんとろくでもねぇ…」
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