自惚れ男子の取説書【完】

「小田さん、幸せに……なってください」

「うっさい。自分の事だけ考えてろ」

「いいじゃないですかっ……それ位、願ったってバチあたらないでしょ…?」

「いいからちょっと黙れ。本気で襲うぞバカ」


小田さんの熱の中、その鼓動に耳を澄ます。
言葉やさっきまでの決心に逆らって、あまりの心地よさに目を瞑った。


「ぐすっ……あ、海外って……お店のおばさん言ってて。仕事、どこ行くんですか?」

「あぁ?アメリカ。来週。って、結局しゃべんのかよ」

「だっ……て、それ……焦ったんですからね」

「そーかよ。別に帰ってからで良かっただろ。出張たって1週間だし」


その言葉に思わずパチパチっと目をしばたかせ、堪えていた雫がすっと零れた。
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