自惚れ男子の取説書【完】
「あ……出張……そっ…ですよね、ははっ」
自分の猪突猛進っぷりに思わず笑いそうになり、わざとらしくずずっと鼻をすする。
それでも小田さんはその腕をほどこうとはしなくって、それが嬉しい。
「でも結婚式あと1ヶ月じゃないですか。準備……大変じゃないですか?」
「あ?俺がする事なんてせいぜいチャペルで歩く事ぐらいだろ。準備なんて関係ねぇし」
「ひっど……!そんなの美月さん絶対寂しいですよっ」
「うっせぇな…人の心配してる場合かよ。とっとと結婚相手見つけろバカ」
「ははっ……ほんと。自分の心配しなきゃ」
抱きしめる腕がより力強くなり、小田さんの鼓動が私の身体まで伝わってくる。それに応えるよう、私は背中に回した手をぎゅっと握った。