自惚れ男子の取説書【完】
「うっ……ちょっとはオブラートに包んで話してくれてもよくないですか?」
「はぁ?お前誤魔化すとまた1人でうだうだすんだろ。はっきり言ったがいいんだよ」
それにどれだけ俺が振り回されたことか。
とりつく島もない、それどころか会う事さえ出来なかったあの頃。頭を抱えた俺は我ながら散々だった。
思い出したくもない……あんな府抜けた俺、2度とあってはならんのだ。
俺の主張に口をつぐんだ所を見ると、どうやら本人も先の誤解で懲りているらしい。そのくせツンと尖らせた唇がばかに素直で、思わずふっと笑いがこぼれる。
むにっ
尖らせていた唇をくいっと摘まむと、細めていた目を驚きでまん丸にしてみせた。
「素直じゃねぇくせに何だその露骨な拗ね方は」
その顔がどうにも可愛くて思わずにやける。対象的に、からかわれたのが癪だったようで解放された唇をおさえ一層むすっとしてしまった。
そんな反抗的な態度も、俺には可愛いし面白いだけだということがこいつにはまだ分かっていないらしい。