自惚れ男子の取説書【完】
「小田さんご飯食べました?」
「あぁー…昼遅かったから。軽くなんかつまむかな。お前は?」
「私は食べてきちゃいました」
時刻は夜9時近く。
金曜日の夜は接待が多い小田さんも、珍しく常識的な時間に帰宅できたみたいだ。
とはいえテーブルには仕事の資料が散らばってて、相変わらずのワーカーホリック。日勤後の私は小田さんの残業を見越して食事は済ませていた。
「あぁー…何もねぇな。コンビニ行くか」
「はーい。お供します」
寝室に消えた彼に合わせ、鞄から財布を取り出すと出掛ける準備を整えた。
部屋着からきちんと着替えるあたり小田さんらしい。チノパンに履き替えた小田さんの背中に続く。
チャリっと籠からキーケースを取り出す小田さん。いつもの手慣れた動きをぴたっと止めると、その籠をじとーっと睨んだ。
「おい。お前なんでここ入れんだ?」
「え?なんでって…鍵入れここですよね?」