もう一つのダイヤモンド
ベッドに横になると、隼人さんがぎゅっと抱き寄せてくれた。

お互いに向かい合っているから、胸に頭があたる。あったかい…。

この暖かさが、なくなってしまうなんてと思ったら、また目頭が熱くなって、気づかれないように、パジャマのポケットからハンドタオルを出す。頭を胸につけてるから、動ける空間があって、助かった。

お風呂から出たら、ソファにハンドタオルを置き忘れたことに気づいて、ポケットに慌てて突っ込んでいた。応援すると言ったのに、すぐ泣いてしまってはダメなのに。

寝心地のよいポジションを探すように、くるっと向きを変えたら、隼人さんが背中から抱き締めてくれた。

隼人さんの手は、お腹に回っていて、生理の重さのある下腹部に、湯たんぽのようにじんわりとあったかい。顔が見えないことをいいことに、ハンドタオルを握り締めていた。

隼人さん寝たのかな…。

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