冷たい彼-初恋が終わるとき-
桐生君に引っ付いてると、違和感を覚えた。
それは少し前からあった違和感だけど、今、確信に変わる。
「…桐生君、煙草は?」
桐生君からダバコの匂いがしないのだ。
初めて会ったときは、ダバコの香りが桐生君の匂いだった。しかし、最近は仄かに香るだけで変だと思った。そして、今日はダバコの香り全くしないのだ。
「…ああ、止めた」
「えッ」
「…お前が言ったんだろ。体に悪いって。忘れたのか?」
「う、」
言ったような、言ってないような。
桐生君がダバコを吸っているところを見慣れてたせいか、思い出せない。