ご近所さん的恋事情
「そうそう、恋愛だって、結婚だってさ、無理にすることはないんだよね。瑠璃子さんのように自然に任せるのでいいと俺も思うよ。美佳ちゃんのように好きな人がいたら、頑張ってみるのもいいかもしれないけどね」


渉は、自分のことだと笑って誤魔化すことが多いけれど、人のことには誠意を持って応えるようにしている。真剣に悩んでいたら、笑い飛ばすことは出来ない。

少し冗談を交えることはあっても。


「なんか、そんなふうに言ってもらえると安心する。ありがと…」


酔いが少し回ってきたのか、瑠璃子はしんみりと渉の言葉を受け止めた。周りから否定されることが多かった近頃だったから、肯定してもらえることが何よりも嬉しかった。

年下で少し軽い感じがしていた渉のことを見直した。そういえば、最初から優しかった。ふざけているように見せかけているだけで、根は真面目な人なのかもしれない。

興味が湧いてくると見る目が変わってくる。
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