ご近所さん的恋事情
「あ、うん。でも、本当にいいの?自分のお布団で寝たほうがちゃんと寝れると思うし」


大丈夫と笑顔で言われも、無理しているのではないかと心配になる。明日の出張に支障が出ても困る。

渉は、瑠璃子の手を握った。


「俺もさ、今日は一緒にいたいんだ。だから、一緒にいよう」


「うん。じゃ、待ってるね」


真剣な眼差しで言い切られると頷く以外、何も出来ない。

瑠璃子は渉と別れ、急いで部屋に入る。自分から誘ったけど、部屋の状態が気になった。

潔癖性の弟がいないことが一人暮らしでの一番の快適さだった。少しくらい散らかしても、少しくらいほこりがあっても誰にも文句を言われないのは、一人暮らしの醍醐味だ。

だけど、招いたのが自分とはいえ、突然の訪問は焦る。ちゃんと部屋の状態を思い出してから、誘うべきだと思っても遅い。朝脱いだパジャマがソファーの上にあり、昨夜読んでいた雑誌が開いたままでテーブルにあった。

それほど気にすることのない散らかり具合だが、瑠璃子はなぜか掃除機までかけていた。

潔癖性の弟の影響かもしれない。
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