ご近所さん的恋事情
その恋人である男が特別気に入らないのではなく、きっとどんな男が恋人になっても気に入らなくなるはずだ。それだけかわいい妹を取られたくないと思っている。

シスコンといってしまえば、それまでだが渉が妹だけでなく家族思いということは他人が見ても分かることであり、周りから良い評価を受けている。


「泊まらないとは思うけど、食べ終わったあとで出掛けるかも」


「はあ?こんな時間から出かけるのか?どこへ?」


親よりも過保護であることは妹思いならではだが、葵だって、もう立派な大人だ。うるさく口出しされたらよい思いはしない。


「何言ってるのよ。お兄ちゃんだって出掛けるんでしょ?それに、帰って来る気があるの?」


自分だって、これから出掛けるというのに、文句をいうなんてひどいと葵は口を尖らせた。


「焼き鳥を食べに行くだけだけど、帰るかどうかは…いいんだよ、俺は男なんだから。葵はちゃんと家に帰ってこいよ」
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