狂犬の手懐け方
「……なら、今日放課後時間ある?」
俺は尋ねた。
「家の手伝い」
訝しげに、さも当然のように答える。
確かに犬塚が家の手伝いをするのはいつものことだ。
放課後も遊ぶことなく、いつも働いている。
「だよね」
デートでもすればそれっぽく見えるんじゃないかと思ったんだけど。
それはまたの機会でいいか。
「まぁ焦らなくていいから。今のままで十分」
俺の返答に犬塚は満足していなさそうな表情で頷いた。
俺はただ犬塚といたい。
それが本心だから、本当に焦らなくていい。
千里の道も一歩から。
叶うなら…もう少し暴力を控えてくれるところから始めたい。