TRIGGER!2
「もう、かなり時間が経ってますよ。治療が終わったんなら、早く署に行きましょうよ」
「あー、それなんだがなぁ太郎、俺たち、ちょいと野暮用が」
「・・・まさか・・・行かないとか・・・」


 山田は疑いの眼差しを、ジョージに向けた。


「いやぁ、行くとか行かないとかそう言う問題じゃなくてな。行きたくないっつーか、最初から行く気がないっつーか・・・」
「じゃあこれは、なかった事に」


 そう言って、山田は封筒をひらひらさせた。


「あぁそれ、気になってたんだよねぇ」


 彩香は一歩、山田に近付く。
 ピンクのフリフリワンピース、髪の毛を結い上げて、化粧で一回り大きくなった目でこっちを見つめる彩香を見て。


「かっ・・・可愛い・・・」


 あからさまに顔を赤らめて、新人警官山田は呟いた。
 ジョージと風間は、お互いに顔を見合わせて。


「あー太郎くん、彩香がその中身、見せてほしいって言ってるぞー」


 山田の肩に手を回し、ジョージが言う。
 だが山田は笑って。


「ははは、その手には乗りませんよ、ジョージさん。これは、あなた方が不穏な動きを見せたら・・・奥の手で、言うことを聞かせる為に・・・って・・・え?」


 腰に手を当ててニヤリと笑いながらこっちを見つめる3人に、やっと気付く山田青年。


「あっ・・・あの、まさか・・・ですよねぇ?」


 あははは~と笑う山田に、ジョージがにこやかに言う。


「お前こそまさか、俺たちが不穏な動きを見せないとでも思ってたか?」
「お前なぁ、さっきから言ってんだろ? あたしらも色々と忙しいんだ。大人しくパトカーに乗る気なんてねぇんだよ」
「あっ・・・彩香さん、あなたはそんな事・・・言うような人じゃ、ないですよね?」
「何をどう考えたら、そんな見解が出て来るんですか、山田君」


 多少は呆れているのか、それともこの希望に燃えた新人警官を微笑ましく思っているのか、風間は微かに笑みを浮かべながら山田に聞く。


「だっ・・・だって、こんな可愛い人が・・・!」
「まだまだだなぁ、太郎は。いいか、お兄さんが1つ教えてやる。化粧が濃い女は絶対に信用するな」
「これはたまたまだろ!」


 言いながら彩香は、山田の手から封筒を取り上げて中身を出した。
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