罰ゲームでヤンキー君に告白されました。



そしてさらに何日かして、えみが切れた。


昼休み、お弁当を食べている時。
えみは持っていたフォークで玉子焼きをぶすりと突き刺し、やきもきしたように歯ぎしりした。


「あーーーーーーーー、もうあんたらうっとうしいなぁ!」

「え?」

「話してきたら?」


珍しく、えみのほうから龍也君と接触することを進められた。
意外な言葉に驚き、私は彼女の顔をしげしげと見つめる。


「どうしたの、突然。
珍しいね、えみがそういう風に言うなんて」


「だって、あんたらずっとそわそわしてるじゃん」


それからわざとらしく溜め息をつく。


「言っとくけど、ほんと腹たってるよ。最低だと思うし。
罰ゲームだって聞いた時は、屋上から蹴飛ばしてやりたかった」


けっこう過激だなぁ。


そう言ったあと、ちょっと反省したように顔を伏せる。


「でもさー、大神の顔見てると、それだけじゃない気がしない?」

「う、ん……。よく分からないけど、何か言いたいことはあるんだろうなっていうのは分かるよね」


彼女はこちらに顔を寄せ、小さな声でささやいた。


「ほんとかどうか分かんないけど。
大神と星乃さん、うまくいってないらしいよ」

「えっ!?」


「だって学校にいても、全然話そうとしないよ」

「まさか! だって、そんなはずないよ!」

「もう別れたんじゃないかって噂もあるし」


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