もしも私がーcasket in cremtion。

 翌日、ちょうど業者の空きがあったので二人を火葬した。そのまま遺骨を持って帰ろうとすると、呼び止められた。

 本当なら四十九日を過ぎなければ納骨は出来ないはずなのに、業者さんやお坊さんに「納骨して下さい」と言われ、その日の内に納骨を終わらせた。

 二人は一緒のお墓に入れて貰った。お墓は二人の遺体を引き取りに行った日に注文したのにもう出来ていた。
 エリックはそれを買った。

 「ありえない」と私と菊之ちゃんが言うと「あり得ない何て事はこの世にはあり得ないのかも知れませんよ」と、エリックが微笑んだ。

 多分業者さん達の心の声を聞いて、推理して真相を知ったんだろうが、教えてはくれなかった。
 納骨が終わると「貯金が無くなっちゃったよ。」とエリックは笑った。

 青い空に遠くに海が見えるその霊園と、エリックの笑顔、それはあまりにも綺麗な〝絵〟だった。
 不謹慎と思いながらも鮮明に私の心に響いた。まさしく絵になる光景、一枚の絵を見ているようだった。

 その悲しみを帯びた笑顔を、私は一生忘れる事は無いだろう。


  *****
< 108 / 109 >

この作品をシェア

pagetop