もしも私がーcasket in cremtion。
*****
数日後、事態が収まった頃を見計らって、私達は、研究所があった場所を訪れた。
研究所は半分が焼け落ちていた。
二人を埋葬した時、エリックから葵の事を聞いて、私は自分の事を少し恥じた。
『翔はね、本当は二十五歳なんだよ。01を打たれて成長しない身体、【不老】になったんだ。』
その時のエリックの悲しそうな表情と、私が葵に言った言葉が頭を離れなかった。
きっと、傷つけてしまっただろうという思いが巡っていた。
すると、足元にあった何かを、足で軽く蹴った音がして、私は下を向いた。拾い上げると、それは本のような物だった。
皆を呼んで本を開いてみる。
殆どが焼かれていて、読めるページは殆ど無かった。
一ページまた一ページとめくって行くと、読めるページに行き着いた。
『私達はこの世界で結ばれる事は無いのかも知れない。だけど、私はそれでも良いと思っているの、彼を心から愛しいと思えるから……。』
その日付は半年前のものだった。
ちょうど、私がエリスを殺してしまう前日だった。
すると、エリックが呟くように言った。
「姉さんは一度、死ぬ前に僕にこんな事を言ったんだ『翔はいつも、周りをあざ笑うかのような態度を取って、貴方にも心を読まさないように、コントロールして辛くあたっていたけど、もし貴方が真実を見て「大人の勝手だ」と思ったとしても、嫌いにならないであげて、心(真実)を読める貴方だからこそ、人間を、大人を、翔を、嫌いにならないであげてね』って寂しそうな心でそう言ったんだ……。」
エリックの瞳から大粒の涙が流れ出した。ずっと我慢していた涙だった。
私はエリックを抱き寄せ、空を見上げた。
私の視界に入らない所で、靭がコンクリートの破片を握りしめ、眉間にシワを寄せる。顔を曇らせ、ただ一点を見つめていた。
今日は快晴、どこまでも青空が続いている、そんな日だった。
END


