もしも私がーcasket in cremtion。
「服で見えなかったろ?」
「……うん」
あの時、お父さんの背中は血まみれだった。
でも、傷口を確認したわけじゃなかった。
まさか、手当てしてくれてたなんて……。
「じゃあ、お父さんはちゃんと助かったんだね?」
「ああ。今じゃ普通に会社に行ってるよ」
――良かった。
本当に、良かった。
お父さんはどうなったんだろう、福岡さんはどうなったんだろうって、ずっと気になってた。
「んで、しばらくしてからちょっと気になってな。ほら、一応俺が第一発見者だったからさ。んで、一人で病院訪ねたら譲ちゃんの友達だと思われたみたいでな、もしどこかで偶然会ったら渡して欲しいって頼まれてたんだ」
「そうなんだ」
私が頷くと、永璃は神妙な面持ちで私にそっと近づく。
「この事は幟呉たちには内緒にしといてもらえるか?」
「え?」
顔がぐっと近くなって、私は内心ドキドキしてた。
「黙って病院行ったのバレたらめんどうなんだ」
「そ、そうなんだ。うん、わかった」
私の返事を聞いて、永璃がすっと離れた。
私はドキドキを振り払うように、一息ついて、封筒を開けた。