もしも私がーcasket in cremtion。
――ダメだ。
涙が止まらない。
帰って良いの?
許してくれるの?
私は死んで償わなくても、良いの?
「お父さん」
呟くと、永璃はおもむろに口を開いた。
「……あの時さ、洞窟に閉じ込められた時、俺達も十四歳の女の子に過酷な事いってんなぁって分かってたんだぜ? でもさ、嬢ちゃんに諦めて欲しくなかったんだ。死んで欲しくなかったんだよ。幟呉は絶対言わないけど、同じ事思ってたと思うぜ。付き合い長いからな、分かる」
自分に言い聞かせるように言って、永璃はサングラスを外した。
少し切れ長の、きれいな瞳が顔を出した。
(永璃がサングラスを外すなんて、めずらしい)
そんな事を思っていると、永璃は遠くを見つめるようにして、ぽつりと呟いた。
「昔な、靭が十四歳の頃に、アイツの姉貴が自殺したんだ。」
「え?」
悲しげな瞳を隠すように、永璃はまたサングラスをかけた。
「俺達もあいつもはすでに組織に居てな、名前は「柚樹」姉っていっても、血のつながりはねえんだけどな。同じ施設にいたんだ。俺より一歳年上で、俺達にとっても姉貴みたいな存在だった」
懐かしむように言って、俯く。
「柚樹と靭は、俺と幟呉に会う前から施設で一緒だったんだ。赤ん坊だった靭を一番可愛がって、めんどうを見ていたのが柚樹だったそうだ。だから俺らは本当の姉弟なんだっていつか、あいつが言ってた」
「……そう」
私は、頷くことしか出来ない。
でも、私もさっき話を聞いてもらって、安心したから。だから、きちんと話を聞こう。
聞くことしか出来ないけど。
それだけは、ちゃんとしよう。
私は永璃を見つめた。
「……でもある時、柚樹は組織を辞めたんだ。組織を抜けるのは死を意味するのを分かってて、抜けた」
永璃の眉間にシワが寄った。
「俺達はあいつの捜索を命じられたんだ。あの洞窟と同じような場所で、俺達は柚樹を追い詰めた。」