もしも私がーcasket in cremtion。

 永璃は良い人だと思う。
 靭も、何だかんだ言ってやさしいんだと思う。
 幟呉は……おかしな人だし。でも、悪い人ではないんだと思う。
 
 でも、敵同士なんだという思いがどこかである。
 組織の話を聞いて、私とは〝違う〟と、何だか浮き彫りにされた気がした。
 信用してはならないと、どこかで思っていた自分に気づいた。
 
 それが、少しだけ寂しかった。
 私の沈んだ気持ちを打ち消すように、明るい声が響いた。

「何だ何だ?お二人さん!何か良い感じの雰囲気、漂ってるんですけど?」

 靭がからかう声を上げながら歩いてきた。
 その隣には幟呉がいる。
 靭と幟呉がの手には、飲み物が入ったグラスが二つずつ持たれていた。

「良い感じねぇ~?……ふっ!嬢ちゃんはもう俺のとりこさ!何てな。」

「あははは!何言ってんだか!一人で寂しかったから、圭子ちゃんに相手になってもらってただけだろ?はい、圭子ちゃん、どうぞ。」

 言って、片方のグラスを差し出した。

「ありがとう。」

(何のジュースだろ?)

「おい、永璃」

 幟呉はぶっきらぼうに片方のグラスを差し出した。

「おっ!珍しいなぁ、良いことでもあったのか?じゃ、遠慮なく頂くぜ。」

 そう言い、グラスを受け取った永璃に

「ああ、これから良いことが起こる予定だ。」とサラッと呟いた。

「……おい、幟呉?」

「何だ?」

「これは、トマトジュース……か?」

「ああ、そうだ。」

「何サラッと言ってんだ!?」

「トマトジュースぐらいで、大声出すな。見っとも無い。」

「ぐらいでぇ!?俺がトマトダメなの知ってんだろォ!?蕁麻疹でんだよ。うえ~トマトなんて恐怖の言葉(ジュモン)言っただけで気持ち悪っ!」

「じゃあ言わなきゃ良いだろう?さっさと飲め。」
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