もしも私がーcasket in cremtion。

そう思った。
すると自然に体が動いて階段を駆け上っていた。
そして

「何笑ってんのよ!あんた達、これで私と同じで追われちゃうのよ!?殺されちゃうかも知れないのよ!?」

大声で叫んだ。
少し、涙で視界がぼやけた。

「あんた達、バカじゃないの!?裏切れば良かったじゃない!私なんか……」

抑えようとしても、涙が溢れ出すのを感じた。
どうして泣いているのかすらも解らない。

だってバカなんだもん、あいつらアホなんだもん!
どうして見捨てないの?自分が危険な目にあうのに。

「裏切るなんて出来ないよ。だって、もう圭子ちゃんのこと知っちゃったから。どんな子か、どんなこと思ってたか、今まで、どれだけ苦しんできたか」

 そう眉をひそめて、靭が呟くように言って微笑む。

「別に嬢ちゃんのせいとか、譲ちゃんのため何かじゃねぇんだぜ? 俺達が決めたんだから」

 やわらかく笑って、永璃は私の頭にポンと手を置いた。そのまま、なでずに下ろす。

「そうだ。俺達は自分の為にしただけだ、勘違いをするな。」

幟呉は相変わらずぶっきらぼうに愛想なく言う。

「ぐすっ、ひっく……」

涙が止まらなくなって泣きじゃくっている私に靭が近づいてきて、

「意外と泣き虫なんだからなぁ、もう。」

困ったような笑顔で、自分の服の袖を伸ばした。
私の頬の涙をその袖で拭く。

「……ありがと。」

「あれ?階段に何か落ちてる。」

「ああ、ケーキ。昨日の残りだけどって、店長にもらったの。」

 話がケーキに移ったことで、やっと涙が止った。
 それと同時に、何で自分が泣いたのか分かった気がした。

 私は、嬉しかったんだ。
 ただ、嬉しくて泣いたんだ。

「おお!じゃあ、中入って食おうぜ!皆でな!」
と、永璃が笑った。


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