もしも私がーcasket in cremtion。

  *****

「おはようございます」

 ロッカールームのドアを開けると、菊乃ちゃんがいたので、私はあいさつをした。

「あっ!圭子ちゃん。おはよう」

「菊之ちゃん、今日十一時からじゃなかったっけ?」

「うん。ちょっと遅れちゃって」

 と言いながら菊之ちゃんはブラウスをはおった。
 その時私はある物に気づいた。

「あ!そのネックレスそんな形してたんだね。いつも着けてるのは知ってたけど、何か変わった十字架だね。誰かから貰ったの?」

「うん、まあね。」と嬉しそうに微笑む。

「それじゃ、私先に行くね。」

「うん。」

 変わったネックレスだったな。
 逆十字の上に、羽がついていて、勾玉みたいな形のものがついていた。

(もしかして彼氏から貰ったのかな? そんな話聞いたこと無いけど、菊之ちゃん可愛いから彼氏くらいいるだろうなぁ)

 そんな事を考えながら着替えて、ホールに立った。
 最後だからか今日は特別忙しかった気がした。

「お疲れ様でした。」

 最後の挨拶に店長のところに行くと、店長は勝手に辞める私を労ってくれた。

「お疲れ!立花さん、これ給料ね。」

「ありがとうございます」

「じゃあ、元気でな。」

「はい。今までありがとうございました。」

 店長は、やさしい人だったな。
 いつか、恩返しが出来たら良いな。

 そんな思いで店を出ると、声をかけられた。

< 56 / 109 >

この作品をシェア

pagetop