もしも私がーcasket in cremtion。

 私は新幹線の中で目が覚めた。
 どうやら、知らない間に寝てしまっていたみたい。
 辺りを見渡すと、幟呉と靭の姿がなかった。私の横に座っていた永璃に聞く。

「二人はどうしたの?」

「お? う~ん、トイレじゃね?」

「二人で?」

「ああ、連れションじゃね?」

 永璃は苦笑した。

(何か変だな……)

 私が不審がっていると、二人が戻ってきた。
 どこに行っていたのか聞こうかと思ったけど、なんとなくやめた。
 薄っすらと、嫌な予感がしていたからかも知れない。

  *****

 私達は新幹線を降りたあと電車を乗り継いで、ある駅で降りた。
 何県か分からない、田舎の駅だった。

 空がオレンジ色に染まっている。
 周りは山しか見えない。そよ風がすうっと吹いて、冷たい風と一緒に潮のにおいがした。
 どうやら、海が近いらしい。

「早く行こう。夜のうちに忍び込んだほうが良いよ。」

 靭が歩き出すと、永璃も歩き出して

「だな。急いだ方が良い。」と返事をかえした。

(永璃も靭もすごい真剣。幟呉は相変わらずの無表情だけど。やっぱり、今から向う所は危険な所なんだ。)

 何だか、不安。
 変身するとコントロールきかないし、この間みたいに部分的だったらきくかも知れないけど……いつ変化が解けるか分からないし、いつ変身するか分からない。

(不安定な力……)

 そんな事を思っていると、幟呉達の会話が耳に入って来た。

「もうこんな時間だとバス出てないよね?」

「タクシーで行くか、幟呉?」

「そうだな。そうしよう。」

(って事は、バスとか車で行ける所なんだ。どんな所なんだろう?)

 駅から出ると、意外に商店街のようなお店が少し離れた所に見えた。
 駅の側に止まっていたタクシーに乗り込むと、約一時間走った。
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