もしも私がーcasket in cremtion。
その子は無表情で立っている。私の脳内は真っ白になっていた。
そこに現在の情報・過去の情報が文字でバラバラに、次々に送られて来るもんだから、私の脳内は混乱して、脳内の私は文字で埋もれて、溺れて、溺死寸前だった。
(そうよ、そんなはずは無い。だって、私は見たもの、あの子が引き裂かれて、横たわっていたのを! なのに、どうして?どうして?どうして!?)
「ハァ、ハッ――」
鼓動も動悸も速くなる。身体が熱くなって、私に『変身する』と合図を送った。
犬歯がグゥゥと音をたてて伸び始めた。すると頭がビシビシと音をたてた。角が出始める合図だった。
「圭子ちゃん!変身したらダメだよ!」
「嬢ちゃん、我慢しろ、我慢!」
靭と永璃が大声を出しているけど、すごく遠くに聞こえる。
(ダメだ!もう……!)
そう思った瞬間、目の前で閃光が走った。
スパッと音をたてたかのように鮮やかに、鉄の檻の一部がバラバラになって散っていったのが見えた。
「おい!」
誰かの声がする。
するとまた「おい!」と声がした。
(この声は……幟呉だ。)
そう確定してから、数秒意識が無かった為の、頭の重さが残るまま、目を開いた。
私の身体は幟呉に肩を持たれたままダランとしていた。
体を起こすと
「おさまったか?」
そう幟呉が聞いて、肩から手を離した。
頭を抑えながら、靭と永璃を見ると二人はまだ穴の開いた檻の中にいた。
私と目が合うと二人はジェスチャーを始めた。
永璃がジャンプし、靭の目の前に降り立つと同時に、靭を自分の懐に引き寄せ、一瞬抱き寄せる形になると、肩を持ち、思いっ切り体を揺すった。
そして、一斉に私を見ると同時に指差した。