もしも私がーcasket in cremtion。

(ああ、そういう事……)

 私は納得した。
 どうやら、今やっていたのは、私がほんの少し意識を失っている間の出来事の再現だったらしい。
 
 永璃が幟呉で、靭が私ね。
 どうやら、この頭の重さは意識が無かったせいだけじゃなく、激しく揺すられたせいで、脳味噌が回ったみたいだ。

(もう少しソフトに助けて欲しかった!)

 私がそう思っていると、二人は小声で誰にも聞かれないトーンでヒソヒソ話を始めた。

 
 *

「伝わったかな?」

「いや、再現は伝わったみてぇだが、俺達が言いたかった事は伝わってねぇな。」

「だね。『幟呉が、あの幟呉が、人を助けるなんて、しかも一瞬でも、不可抗力だとしても、抱きしめるなんて、ありえな~い。凄い事だよ!圭子ちゃん』って言いたかったんだけどね。」

 *

 
 話していた内容は聞き取れなかったけど、二人の背後に黒い影が伸びる。
 すると不機嫌そうな声が二人に振って来た。

「おい。俺はアイツが暴れるとコトだから、行動したんだ。〝一番速く〟〝動けた〟俺が」

 嫌味を催した言葉攻撃に、永璃と靭は苦笑した。

「ちょっと!忘れてへんやろね!?あたしらのこと!」

 菊之ちゃんのガナリ声が響いて、私達は一斉に菊之ちゃんを見た。
 
「菊之ちゃん、どうして?」

 私が問うと、菊之ちゃんはニコッと微笑んだ。

「あたしらはね、情報収集を生業としとる、【裏陰】なんよ。知っとる?アンタらの命令状の内容、情報はあたしらが集めてきてんねんで。結構大変なんやで、裏で仕事すんのんて!まあ、それはこのさい置いといて――」

 手を横に移動させて身振りをとると、海くんに目線を向けて

「この姉ちゃんら、倒してくれはるよなあ?」

「はい。」
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