もしも私がーcasket in cremtion。
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煙が晴れて行く。
二つの影が見え始めた。菊之ちゃんは両手を上げて降参の意を示していた。その菊之ちゃんの頭に靭が銃口を突きつけているのが見える。
靭たちが煙に包まれてから、何があったのかはまったく分からなかったけど、どうやら靭が勝ったみたいだ。
私は、少しだけ安堵した。
「ねえ!縛れる紐ない?」
私達を見つけて、靭がそう大声を上げた。
「靭!これ使って!」
私の隣にいたエリックが何かの機械のコードを投げた。海くんの攻撃が続いている激戦区の上をコードは綺麗な半円を描いて靭の手に届いた。
パシッと音をたてて受け取ると
「ありがと!」
菊之ちゃんの腕を縛り始めた。永璃達は相変わらず、あの海くんの攻撃を避けている。
その二つの光景を見て私はいじけた。
(私は、何も出来ない、役立たずなんだ……。変身しても、コントロールさえろくに出来ないし。あそこに加わる事も出来ないんだ。情けない……悔しいよ!)
そう思ったら、泣けてきてしまった。
うつむいて、膝を抱える私にエリックが叱咤した。
「だったら、念じてみたらどうですか?悲しんで、悔しがっているばかりではなくて。」
「え?」
思わず顔を上げ、立っているエリックを見つめると、エリックは私を急かした。
「さあ、早く!」
「えっ、ハイ。」
言われるがままに、私は念じた。
(少しでも良いから、役に立ちたい!だからお願い、今だけで良い……力を下さい!)
すると、身体の奥から熱い空気のような、液体のようなモノが湧き上がって来るのを感じた。
それが手足へと動いて行くのが解る。私は変身に夢中で周りのモノに意識が行かなかった。
そして、意識が少しだけ遠くなるのを感じていた。
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