光の世界の住人
それにしても電車は苦手だ。
人が沢山いるし、この電車は特に痴漢が多かったりする。
なるべく男性のいないスペースに上手く入り込み、危険から身を守る。
無事、学校の近くの駅に到着した。
ずっと握りしめていたせいで温まったキーホルダーを鞄に付け、電車を降りる。
「ねえ」
聞き覚えのある声がした。
振り返ると、そこにはさっきキーホルダーを拾ってくれた男の人が。
「君、俺と同じ高校でしょ?せっかくだし、一緒に行こう。名前は?」