コトノハの園で
落ち葉を含んだ冷たい風が大きく吹いて、空き缶を握っていた手が、まるでかまいたちに遭ったみたいに痛み出す。
私は、それくらい、血管が切れてしまいそうなくらい、両手に力を入れていた。
「……」
「……」
……――
森野さんは、やっぱり大人だから、いつまでもそのままじゃなかった。
数分の時間を要し、言葉を紡ぐ。
「……訂正箇所は、ありませんね。概ね正解です」
私を責めたりは、しないんだ。
「そうですか。まさか、あの会話を偶然耳にされていたなんて……些細なことですし、日常に支障はないので、あえて公言はしていなかったのですが……ここに来て失態ですね」
半分偶然。街で見かけて、私もカフェへ。
「秘密だったんですか? 森野さんが女嫌いなの、知ってる人多いと思います」
「ええっ!? どっ、どうしてっ?」
「森野さん、ご自分では普通にしていると思ってるんですね。――私が知ってるのは図書館でだけのことですけど、たとえ職員の方とでも、女性と話す時は、足が震えていたり、他にも色々と。公言していなくても、あれではおそらく」
「……うぅっ……」
「あっ、でもっ、皆さんが温かく優しく見守っていてくれてるからこそのっ、現状ですよっ!」
私が告げた真実は、どうやらかなり衝撃的だったみたいで、森野さん再起動までに、また、しばしの時間を要した。