ショータロー☆コンプレックス
「だからそう言ってるだろ。じゃなくちゃ、会社として成り立たなくなっちまう」


「じゃあ、何で今、こんなに必死にあの男を尾行しているんでしょうか?」


しかも、本来なら全く関係の無いハズのオレを巻き込んで。


「だってこれは会社の経費とは何ら関係なく動いているし、そもそも、調査だなんで誰が言った?」


「へ!?」


「バイト終わり、仲間が車で送ってくれる事になって、ついでにちょっとドライブしてるだけだろ?よって、俺は我が社の職務規定に、何ら違反はしていない」


「な……」


そのあまりの屁理屈に、オレは開いた口が塞がらなくなってしまった。


「なんてな」


しかし辻谷はすぐさま、それまでのどこか人をおちょくったような口調を改め、言葉を繋いだ。


「もしもの時の理論武装はここまでにして、真面目に返答するならば、所長の方針に素直に従ってはいられないような場面を目撃しちまったからだよ」


「え?」


「さっきお前に駅まで送ってもらった時、数台前に青のゴルフが停まっている事に気が付いてさ、何気にナンバーを確認したら、案の定あいつの車だった。まぁ、あいつも都内在住だし、街中で見かけたからといって、何ら不思議な事ではないんだけど」


「…じゃあ、何で慌てて追いかけたんですか?」
< 40 / 63 >

この作品をシェア

pagetop