ショータロー☆コンプレックス
「そういう事だったんですね」


これでようやく、すべての疑問に説明がついた。


初対面なのにいきなりカージャックしたり、レンタカー代やガソリン代はオレ持ちであるという事実を華麗にスルーしている件については、まぁ大目に見てやろう。


調査が再開になった暁には、今日の尾行はとても有意義なものになるだろうから。


少しでもAさんの助けになれるのなら、オレは大満足だ。


「あ、でも」


今さらながらにその事を思い出し、オレは慌てて言葉を繋いだ。


「最悪、6時くらいまでには解放してもらいたいんですけど。ホント、今日は大切な約束があるんです」


「ああ、そういえばさっき言ってたな」


「レストランに7時に予約を入れてて…。で、その前に友達の家に迎えに行かなくちゃいけないから、逆算すると、タイムリミットは6時くらいかなって」


最終的にあの車がどこに行き着くのかは分からないけど、とりあえず高速からは遠ざかっているし、都内から出るつもりはないんじゃないかと思う。


そして、方向的にはむしろ瑠美ちゃんの家に近付いて行っている。


まぁ、このまま走り続けたらそこを追い越して、だんだん遠ざかってしまうだろうけど、6時に尾行を切り上げてもらえればレストランの予約に間に合う時間には彼女を迎えに行けるハズ。
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