ショータロー☆コンプレックス
そんな恵まれたビジュアルである所に持って来て、アメとムチを巧妙に使い分けられるスキルも持ち合わせているだなんて。


同性のオレでさえこんなに惑わせられるんだから、きっと世の女の子はイチコロだろうな。


なんて、どうでも良い考察をしながら、オレはカバンからいそいそとケータイを取り出した。


「えっと…。その友達に、電話をかけても良いですか?」


「ああ、もちろん」


「じゃ、ちょっと失礼して…」


スケジュール変更について、今のうちに瑠美ちゃんにお知らせしておかなければ。


当初の予定では彼女のアパートまで迎えに行ったあと、あえて目的地とは逆方向に車を走らせ、夕闇迫る都会の町並みの景色を楽しみつつUターンする形でレストランへの道を辿る、という流れになっていた。


だけど今の状況を考えると時間的にそれはもう無理っぽい。


と言っても、エキストラの仕事ってのは定刻通りに終わるとは限らず、もしかしたら予定が変更になるかもしれないという事は事前に話しておいた。


彼女も同じ夢を追いかける同士だし、演技の仕事をもらえる事の有り難さ、重要性は言わずもがなで理解しているので、その点は快く了承してくれている。


だからプチドライブが省略されてしまう事を責められたりはしないだろうけれど…。
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