ショータロー☆コンプレックス
思わずツッこんだオレの言葉は当然のようにスルーして、辻谷は続けた。


「つまり、あの二人は普通の関係ではないと」


「…え?」


「お互い最初から合意の上で、それ目的でここに来たって事。おおかた、あの女性はデリバリーのヘルス嬢かなんかだろ」


「ヘ……」


「普通はダイレクトにホテルに呼び寄せるんだけど、まぁ待ち合わせっていうパターンもあるんだろうな」


辻谷は自分で自分の言葉にウンウンと頷いた。


「モテない野郎の中には、ちょっとデート紛いの事をしてから本番に、っていう過程を楽しみたい奴もいるだろうから、店によってはそういうシステムなんだろう」


車を降り、建物入り口へと並んで歩いて行く男女を目で追いながら、さらに辻谷は続けた。


「現時点では、あの男には特定の彼女ってのはいないからな。そろそろ夜の生活の方が寂しくなって来たんじゃねーの?だからその道のお姉さんにお願いする事にしたと。やりとりはケータイかパソコンだろうし、今日が初対面なんだから、そりゃ俺達の捜査線上に浮かぶ訳がないよな……って、お前、何赤くなってんの?」


「えっ」


「顔。尋常じゃなく真っ赤だぜ」


「い、いや、あの」


「女の子ならまだしも、ハタチ過ぎた男がそういう反応、はっきり言ってキモいから」
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