ショータロー☆コンプレックス
「わりぃ。無意識のうちに抜いて持って来ちまった」
予想はしていたけれど、その言葉で確証が得られ、オレは安堵のため息をもらした。
「やっぱ、この部屋が一番マシだな。ここで良いよな」
するとその時、観葉植物の向こう側から、居丈高な男性の声が響いて来た。
言わずもがなで、ここまで尾行して来た、あの男の声だろう。
オレは葉の隙間から、そっと様子を窺った。
オレ達が身を潜めているエントランス兼廊下を左に折れるとそこがロビーになっていて、突き当たりがエレベーターホールだった。
その手前の壁に設置してある大きなパネルの前に、男と女性が立っているのだ。
「あそこで部屋を選んで、鍵を受け取るんだよ」
辻谷が解説を始めた。
「ほら。部屋の内部を写した写真が並んでるだろ?で、帰りはその横にある精算機に金を払って帰ると。こういう所に来る客はなるべく他人とは接触したくないから、あらゆる手続きが自動販売機方式の所が多いんだ。もちろん、完全な無人じゃなくて事務所に従業員は待機してるけどな」
「な、なるほど~」
「そんで客同士もなるべくなら顔を合わせたくないから、誰かが部屋を選んでる間は、あとから来たカップルはこういうとこで待機してるのが暗黙のルールなんだよ」
言いながら、辻谷は自分の足元を顎で示した。
予想はしていたけれど、その言葉で確証が得られ、オレは安堵のため息をもらした。
「やっぱ、この部屋が一番マシだな。ここで良いよな」
するとその時、観葉植物の向こう側から、居丈高な男性の声が響いて来た。
言わずもがなで、ここまで尾行して来た、あの男の声だろう。
オレは葉の隙間から、そっと様子を窺った。
オレ達が身を潜めているエントランス兼廊下を左に折れるとそこがロビーになっていて、突き当たりがエレベーターホールだった。
その手前の壁に設置してある大きなパネルの前に、男と女性が立っているのだ。
「あそこで部屋を選んで、鍵を受け取るんだよ」
辻谷が解説を始めた。
「ほら。部屋の内部を写した写真が並んでるだろ?で、帰りはその横にある精算機に金を払って帰ると。こういう所に来る客はなるべく他人とは接触したくないから、あらゆる手続きが自動販売機方式の所が多いんだ。もちろん、完全な無人じゃなくて事務所に従業員は待機してるけどな」
「な、なるほど~」
「そんで客同士もなるべくなら顔を合わせたくないから、誰かが部屋を選んでる間は、あとから来たカップルはこういうとこで待機してるのが暗黙のルールなんだよ」
言いながら、辻谷は自分の足元を顎で示した。