ショータロー☆コンプレックス
「夜景の見えるレストランで食事して瑠美ちゃんが前々から欲しがってたイヤリングをプレゼントして良い雰囲気になった所で告白して晴れて両思いになったら家まで車で送って別れ際にさりげなくキスしようと計画してたのにぃー!!」


「はぁ~!?」


言ってる途中でさらに感情が高ぶって来て、最後の方は盛大にしゃくりあげながら捲し立てたオレに、辻谷は心底呆れたような声音で応じた。


「お前、女の子口説くのに、事前にそんなシミュレーションしてんのかよ。気色わるっ」


「な、何だとぉ!?」


「だってそうじゃん。初めて異性と付き合う事になった中高生じゃあるまいし、もう20代も半ばに差し掛かろうという男がそんなマニュアル通りに……」
「20代半ばじゃないやいっ!今年30だい!!」


「ゲっ。俺より年上だったんかい!」


怒りながら訂正したオレの言葉に、辻谷は体をのけぞらせた。


「ウソだろー。ホントは20歳そこそこかと思ったけど、18で免許取ってその後しばらく運転してなかったみたいな事を言ってたから、それを考慮して少し年上に見積もったのに…」


ブツブツと独り言のように呟いてから、辻谷は改めてオレに向かって言葉を発する。


「つーか、30間近のおっさんがその思考って、ますますキモイじゃねーかよ。お前、このままじゃヤバイんじゃね?」


「う、うるさいうるさ~い!!」
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