今宵、月が愛でる物語
「人生甘くないなぁ。ねー、お月様。」

澄んだ空気に浮かぶまんまるの月は、まっすぐだった私の想いをどう思うだろう。


彼は……どう思うだろう。


約束から1年たち、

私は制服を脱ぎ、

長く黒いストレートだった髪を栗色のショートボブにして、

ピアスを開けた。

3月の満月の日を調べ、彼を想いこの日をひたすら待ちわびた。



待ちわびたんだよ。



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