幼なじみ
蝋燭の炎が揺れた


明るく
地下室なのに日差しが差し込む室内



太陽の光に照らされて輝く白い布…


ドクンッ…!


ドクンッ!



鼓動が頭に響く



急に汗ばむ両手がギュッとジャージのハーフパンツを握りしめた


「乃愛ねぇ…ちゃん。」


山田弟が私に振り反る


「直樹…。」


山田弟の名前を呼ぶのは何年ぶりだろう


普段は呼ばない名前が
私に緊張感を与える


「来てくれたんだ…。」


沈みきった顔


うっすらと涙の跡が見える


直樹越しに視界に入る
白い布がかけられたベッド

「…凪沙は……?」


寒かった

線香の匂いと蝋燭の炎が私の体温を奪う


「…眠ってる。」


直樹の目線がベッドへ向いた


私はゆっくりベッドに歩み寄る


ドクンッ


ドクンッ



ドクンッ



心臓が弾けそうなくらい不整脈を打ち続ける


そっと
白い布に手をかけた



息が苦しい…


震える手がゆっくり
布をめくる









そこには
凪沙が眠っていた
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