この恋を叶えてはいけない
「貴志じゃん。
こんな駅にいるってことは、さぁ……」
「……」
巴は、貴志の姿を見て、少しだけ呆れている。
そんなあたしたちをお構い無しに、貴志は歩み寄ってきて、あたしの前に立ちはだかった。
「唯香、あたし先に帰るね」
「あ、ちょっと!」
「面倒は御免だよー」
巴は逃げるようにして、一人で駅の中へと入ってしまった。
取り残されたあたしは、あからさまにため息を吐くと、貴志を見上げた。
「……何?」
「話が…あるんだ」
「あたしはもう、二度と話したくなかったんだけど」
「…っ………ごめんっ!!」
睨むあたしに、貴志は深々と頭を下げた。