この恋を叶えてはいけない
 
「ちょ、やめてよ!こんなところでっ……」

「本当にごめんっ。あの時は俺、どうかしてたっ……。
 だから許してほしいっ」


日中の駅前、通りゆく人がみんなあたしたちに注目している。

そんな目に耐えられず、貴志の肩に触れた。


「お願いだから、頭あげて。
 別にもう……どうでもいいの……。

 だけどやり直すつもりはない」

「唯香……」


「もう……貴志のこと、そういうふうには見れないから」


「……」


あたしの返事に、貴志は悔しそうに唇を噛んだ。


悔しいのはこっちだ。

どうして今になって、あたしを引き戻そうとするなら
せめてあの時に、すぐにあたしを追いかけてきてくれなかったんだろう……。


そうすれば、少しは未来も変えられたかもしれないのに……
 
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