この恋を叶えてはいけない
「……そう、だよな……。
ごめん、いきなり……」
しばらくの沈黙のあと、ようやく貴志も納得したようで、顔を上げた。
その瞳は、やっぱりまだ、悲しみに満ち溢れていて……。
「じゃあ、さ……
ちょっとこれから、家に来てほしいんだけど……」
「は?」
「あ、別に変な意味じゃなくてっ……。
お前の私物とか、いろいろ置いてあるから、よ……」
「捨ててよ。もういらないから」
「それが出来たら苦労しねぇよ。
このままだと、当分俺の部屋に置きっぱなしにして、お前が帰ってくるの、待っちまうから……」
「……わかったよ」
本当は、もう一度あの部屋に行くのなんて嫌だった。
だけどそれ以上に、自分の使っていたものが、いつまでも貴志の部屋にあるというほうが嫌だった。
持って帰って
すぐにゴミ箱に捨てよう。
そう思い、あたしは貴志について、あの部屋へ向かうことにした。