この恋を叶えてはいけない
「まあ、あがって」
「ん」
久しぶりに来た貴志の家。
相変わらず、狭くて、決して綺麗と言えるような部屋じゃない。
だけどあの頃は、この空間が居心地がよかった。
「ごめん。何も整理とかしてなくて。
お前が使ってたいつもの場所に置いてあるから」
「いいよ、自分でやるし。
適当な紙袋とかある?」
「あ、ああ」
がさごそと、お菓子が入っていたであろう紙袋を渡された。
それを受け取ると、クローゼットを開けて、自分の部屋着などを取り出す。
棚の上にあった、アクセサリー類も。
紙袋の中に、どんどんと投げ出されていった。