この恋を叶えてはいけない
「お前、何やってんだよっ!!」
「え?あ、ちょっと!!」
その人は、ザブザブと海の中へ入ってあたしの腕をとらえた。
そして驚くあたしをよそに、浜辺へと引き上げてしまう。
「ったく……
何があったか知んねぇけど……」
息を荒げて、あたしを見つめる。
暗くてよく分からない。
だけど星と月明かりで照らされる彼の顔は
言葉を失わせるのに十分な綺麗な顔をしていた。
「おまえ、聞いてる?」
「え?あ、の………」
ぼーっとするあたしに、眉間に皺を寄せて顔を覗き込む。
そもそも、どうしてこの人がこんな血相を変えてあたしを呼び止めたのか分からない。