この恋を叶えてはいけない
「簡単に死のうとすんじゃねぇよ!」
「………は?」
その言葉に、思わず間抜けな声を出してしまった。
「は?って………。
え?お前、今死のうとしたんじゃねぇの?」
「え?ち、違いますよっ……。
あたしはただっ、これを投げ捨てようと思って……」
「あ?」
手のひらを開き、指輪を見せる。
一瞬固まった彼は、バツが悪そうな表情に変えてあたしを見上げた。
「……わり…。
もしかして俺、すげぇ余計なことした?」
「あ、いえ………。
あたしも紛らわしかったですし……」
確かに余計なことだ。
この人が止めに入らなければ、今この手の中には、指輪はなかったかもしれないのに……。
あたしはもう一度、勇気を出して手を振り上げないといけないのだ。