この恋を叶えてはいけない
「で、これがメニュー表。
価格は載ってるけど、全部暗記するくらいで。
場所も覚えておいてください。
それで……」
開店時間前に、簡単な説明。
戸村さんは、このバイトの前にも接客業をやっていたみたいで、とくに大きな問題はなく頷いているだけ。
実際に開店時間。
まずはあたしが受付するところを後ろから見てもらって、そのあとに実践をしてもらったけど、本当に問題なく対応が出来ていた。
「じゃあ、お先失礼しますー」
「おつかれ」
20時になって、バイトを上がった。
着替えをして、鞄を手に取り、店の外に出ると、ちょうど戸村さんも上がりみたいで、バッタリした。
「あ、お疲れ様です……」
「お疲れ様っす」
若干、気まずい空気が流れる。
実際、店内に一緒にいても、私情は一切話さなかった。
だから今こうやって、バッタリしても一緒に帰るべきか……。
「早見さんも、今帰るん?」
「え?」
戸村さんの口が開かれた瞬間、
あたしは目を見開いた。