この恋を叶えてはいけない
「なあ」
「え?」
誤解が解けて、すぐに立ち去ると思いきや、彼は依然と離れない。
それどころか、声までかけてきた。
「それ、本当に捨てて大丈夫なの?」
試すような、何かを見抜いているような、そんな瞳。
あたしは彼から目を背けると、再び海へと視線を戻した。
「……大丈夫」
「そのわりには、死んだような顔してっから」
「…っ」
気遣いもない、直球な言葉。
返す言葉も見つからなかった。
「お前さ」
「……何?」
「ちゃんと泣いたの?」
その言葉に、心が揺らいだ。