この恋を叶えてはいけない
「さっきも紹介があったけど、
今日からこっちへ配属された、
三田さんと戸村さんと金沢さん」
人事の人が、左にいる人から順にそう紹介していった。
一人ひとり顔をちゃんと覚えようと、じっと見つめていくと……
「………唯ちゃん…?」
「え……?」
途端に、真ん中にいた人に名前を呼ばれた。
どうしてあたしの名前を……?
と思い、真ん中にいる人へ目線をうつすと……
「………あ!戸村さんっ!!」
「やっぱ唯ちゃんやん!久しぶりやなぁ!」
そこにいたのは、
お弁当屋さんでほんの少しの期間一緒に働いていた
戸村陵さんだった。