この恋を叶えてはいけない
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唯香がシャワーを浴びている間、
陵は唯香の部屋で一人待機をしていた。
陵のほうも落ち着きがなく、さっきは余裕のあるふりをしていたけど
自分の好きな子の家に泊まるとなって、ちゃんと自分を抑えられるかが心配になっていた。
だけどその時、
インターフォンが鳴った。
「……例のストーカーか……?」
唯香の話だと、誰かが家のインターフォンを押しているけど、
覗き込むと誰もいないと言う。
きっと相手は、唯香がドアを開けるのを待っているに違いない。
そう捉えた陵は、唯香がシャワーを浴びているのを確認して、
一人玄関へと向かった。
カチャリと開けたドア。
ゆっくりと開け、そこに立っていたのは……
「……お前…誰だ?」
自分と同じくらいの年の、男が立っていた。